<夏いっぷく2024>神秘的 ゆらめくオーロラ 南極・北極科学館(立川市)

2024-08-23 HaiPress

ノルウェーで撮影されたオーロラの映像=いずれも立川市で

青や緑の光が、一面に広がっていた。オーロラだ。ゆらゆらと動き、瞬くように輝いている。頭上に広がる壮大な光景に一瞬、極寒の地にいるかのような感覚にとらわれた。「生きてるみたい!」「赤く光った!」。子どもたちのはしゃぐ声が響いた。

「マイナス20度くらいですよ。もしここが本当に極地だったら」。案内役を務めてくれた寺村たからさん(46)が笑った。国立極地研究所にある一般向けの展示施設「南極・北極科学館」(東京都立川市)。その一角に、オーロラの映像を上映するシアターがある。

南極観測に使われた防寒着や雪上車など展示品を見る来場者

6席だけの小さなスペース。直径4メートルの半球状のスクリーンには現在、2009年に北極圏のノルウェー・トロムソで撮影されたオーロラが約8分間の映像にまとめられ、上映されている。美しく輝き、少しずつ形を変える神秘的なオーロラの姿は圧巻だ。

「オーロラが見られるのは月あかりのない夜。それも晴れた日だけ。南極では晴れると気温が下がるため、オーロラ鑑賞は常に寒さの中なんです」

これまで南極に4度も行った南極観測センター職員の鈴木文治さん(56)が解説する。「見渡す限り真っ平らの雪原で真っ暗な空に浮かぶ緑や赤のオーロラ。形も位置も、同じものは二度とないんですよ」

南半球にある南極は今、極寒の冬。来館者は小さなシアターの一席で、極夜を彩る美しいオーロラを、快適な環境で鑑賞することができる。(岡本太)

<南極・北極科学館>南極や北極の観測・研究を行う「国立極地研究所」の広報展示施設。極地研究の内容や歴史などについて学べるほか、南極の氷に触ることができる。多摩都市モノレール高松駅から徒歩10分。日、月曜と第3火曜は休館。入場無料。


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